あちこちで「国策」として進められている省エネルギー、環境対策を耳にした。イェーテボリで、住宅分野でも「ついにここまできたか」と驚きを禁じえない住居と出会った。冬場は氷点下一〇度、一五度に気温が下がる酷寒の地で、暖房設備をまったく必要としない「無暖房住宅(木造)」が建設され、居住権つき住宅として分譲されていたのである。日本のエアコン・メーカーが聞けば真っ青になりそうな無暖房住宅を見に行った。イェーテボリの中心街からクルマで二〇分。
[参考]
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自然に囲まれたリンドース村に「無暖房住宅」は建っていた。「暖かくて広々としています。空気がいいんですよ。この家にいると閉じ込められているという感じがしません。唯一の欠点といえば、壁に穴を開けて『暖炉』をつけたり、家の外に水道の蛇口を取りつけられないことでしょうか」と息子と夫と三人で「無暖房住宅」に暮らす主婦が言う。視察団とともにデータ解析用に最陵まで売りに出されなかった住戸に入った。二階建て約一〇〇平米の住宅二〇戸のうち、他は完売。この部屋も、データ収集期間を終え、もうすぐ住人を迎える。室温はプラス一ハ・五度。外気温は三度。無人状態でもこの温度に保たれていた。ガラス戸から陽光が燦々とふりそそいでいる。部屋のなかをグルリと見回すが、スウェーデンでおなじみの地域暖房システムの「ヒートパネル」は、無い。間違いなく無暖房である。