今日の都市生活者は、まず第一にこの「物」と「生活」をよく考えて、次に「物」と「収納」を考えることが大切だ。今や、住まいを平面図によって思考する時代は終わった。高密度な都市での住まいは、その平面的広さに高さを乗じて容積で思考し、立体空間として認識されるべきである。つまり、何平方メートルの広さの住まいというよりも、何立方メートルの空間の住まいという方が都市的なのである。さらには、何十着の背広とドレス、何百枚の下着、さらに何万冊の蔵書、何十足の靴の収納能力、略して「収能力」がその評価の基準となり、これにより都市の住まいはランクされるようになってきているのだ。
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百万円の道具に一千万円の場所代ところで、ここで現実の住まいに話題を戻して、本当にどれほどの物と、狭苦し感があるのかを調べてみよう。一般に、2LDK六十平方メートルほどの小住宅には、押し入れが一つしかない。従ってタンスや戸棚、さらには下駄箱と、結局は収納のための収納家具類に占領されてしまうことになしかも、これらはデザインや色調、高さや奥行きがバラバラで、かえって無駄な空間が多くなり、煩雑で、狭苦しいどころかむさ苦しい。