最近では、預貯金が十分でなく、現在の生活にもゆとりがなくなってきている。経済的にも精神的にも、かつての「余裕」はなく、「一億総中流社会」という言葉も死語になってしまった。厳しい状況は全世代にわたっているが、仕事を離れてしまった六〇歳代では、貯蓄を減らした人の割合が増加している。株式市場も低迷が続いており、所得の低下と合わせて、全保有資産額にも陰りが見られるようになってきた。さらに、超低金利時代の長期化で、預貯金の利子も大幅に減少してしまった。昔であれば、退職金を三〇〇〇万円手にして銀行に預金すると、一五〇万円の金利がついたこともあった。現在では「ほぼゼロ」という金額にしかならない。日本の家計全体で見ても、一九九〇年には受取利子が三五兆円前後になっていたが、現在では一〇兆円にも満たない状況が続いている。このような状況下では、ますます国民は自己防衛的にならざるをえなくなっている。
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