第一号の竹の家が日本に完成した。直径一五センチ前後の竹を集め、中に五センチ×五センチの断面寸法をもつ鉄製のアングル(L字型断面の鉄骨)を二本挿入し、コンクリートを流し込んだ。このやり方でできた柱には、装飾でしかない「偽物」の竹製の床柱とは一味違った、力を支えるものだけが持つたくましさがあるように見えた。お化粧に使われたひよわな竹とは違う、骨太さが備わっているように感じられたのである。CFBの柱以外の部分も、可能な限り竹で作ることにした。
[参考]
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竹を一〇〇本一列に並べて壁を作り、その内側をガラスの壁で囲って、室内とした。床も竹のすのこを敷きつめた。最初は少し足の裏が痛いようで抵抗があったが、裸足で歩きなれるととても気持がいい。すべての建築素材が、ビニールクロスやビニールの床シートのように、ツルツルと平滑でクレームの出ようがないものへと傾斜していくなかで、このザラザラとした床の異物感は新鮮であった。インドネシアでかつて訪ねたロングハウスと呼ばれる細長い家は、竹のすのこの上に人が住む。一階は家畜のスペースになっていて、人間の排泄物は家畜の餌となる。土と動物と人間との共存が実にとても快適であった。新しい技術が、あのロックハウスのような素朴な快適さを可能にしてくれたわけである。竹を使いはじめて、竹の最大の課題が耐久性にあるとわかった。まず適切な季節に山から切り出さないといけない。竹の中の糖分は季節によって変化し、低い時に切らないと腐りがはやい。春先に竹の子が生える直前に糖分は最高になり、逆に旧盆過ぎから秋にかけてが糖分が低くなるので、そこをねらって伐採する。切った後には、熱処理をする。青竹の中には様々な微生物がすんでいて、熱を加えてそれらを殺さないと、それも腐りの原因となる。熱処理には大きく分けて、熱湯の中でゆでる油抜きという方法と、火であぶるやり方があり、値段はあぶる方が倍くらいする。どちらも青い竹が黄色に変色するのは一緒だが、あぶると微妙に焦げ目がついて、竹が精悍で、しまったような感じになる。耐久性能はそれはどかわらないので、油抜きを採用した。